背景がぼけない原因と直し方

背景がぼけない原因は、F値だけではありません。被写体との距離、背景との距離、焦点距離が関係します。この記事の実写では、そのうち背景までの距離だけを変えて確かめます。センサーサイズの違いは、同じ画角や構図へそろえる条件まで含めないと比較できないため、ここでは扱いません。

生徒
生徒

F値を小さくしているのに、背景があまりぼけません。

先生
先生

被写体と背景の距離、焦点距離、撮る距離も関係します。F値だけで決まるわけではありません。

生徒
生徒

F2.8で撮ったのに、背景が思ったほどぼけません。明るいレンズなら必ずぼけるのですか?

先生
先生

必ずではありません。絞り、焦点距離、カメラと主役の距離、主役と背景の距離が一緒に関係します。

生徒
生徒

主役に近づくだけでも背景はぼけますか?

先生
先生

ぼけやすくなります。ただし近づきすぎると構図が変わり、レンズの最短撮影距離にも届くため、焦点距離と距離を一緒に確認します。

この記事でわかること

  • 背景がぼける条件
  • ぼけないときの直し方
  • キットレンズで試せる工夫

被写体に近づく

背景をぼかしたいときは、まず被写体に近づきます。被写体に近いほど、ピントが合う範囲が浅くなり背景がぼけやすくなります。

ただし近づきすぎると最短撮影距離を超えてピントが合いません。ピントが迷うときは少し離れます。

背景を被写体から離す

被写体のすぐ後ろに壁や棚があると、背景はぼけにくくなります。被写体と背景の距離が離れるほど、背景はぼけやすくなります。

人物なら背景から数メートル離す、料理なら壁から離した机で撮る、といった工夫が効きます。

望遠側を使う

ズームレンズでは、広角側より望遠側のほうが背景を大きくぼかしやすくなります。キットレンズなら一番望遠側にして試します。

望遠側では手ブレが目立ちやすくなります。シャッタースピードを確認し、暗い場所ではISOを上げます。

ぼけない原因と直し方

原因起きていること直し方
被写体が遠いピントの範囲が広い近づいて撮る
背景が近い背景もピント範囲に入りやすい背景から離す
広角側で撮っている広くくっきり見えやすい望遠側を使う

F値を小さくするだけで足りない場合は、距離と焦点距離を変えます。ぼけは複数の条件が重なって強くなります。

撮影中に試す順番

背景がぼけないと感じたら、設定だけでなく距離を先に変えます。レンズの性能を疑う前に、立つ位置と背景の位置を見直すと改善できることがあります。

  1. 被写体を背景から離す
  2. 撮影者が被写体に近づく
  3. ズームレンズなら望遠側にする
  4. F値を小さくする
  5. 背景がうるさい場合は立つ位置を変える

ぼけだけに頼らない

背景が大きくぼけなくても、背景を整理すれば主役は見やすくなります。明るい看板や散らかったものを画面から外すだけでも効果があります。

背景ぼけは主役を見せる手段の一つです。光、色、構図も合わせて整えると、ぼけが少なくても見やすい写真になります。

今日の練習

同じ被写体を、広角側と望遠側、背景に近い状態と離した状態で撮り比べます。どの条件で背景がぼけるか確認してください。

背景距離でぼけ方を変えた実写

F2.8と主役の位置を保ち、背景の猫だけを後ろへ動かした。

shotasteがSony α7 Vで、51mm、F2.8、ISO100、主役とカメラの位置を保ち、背景の猫だけを約30cm後方から置ける範囲の最奥へ動かしました。Aモードの自動露出によりシャッタースピードは1/60秒から1/50秒へ変わりましたが、ぼけ量を比べる条件は背景距離です。

背景が近い写真
撮影設定:51mm、F2.8、1/60秒、ISO100、露出補正+1.0

主役の約30cm後ろに背景の猫を置きました。

主役と背景が近いため、F2.8でも背景の形が残ります。

背景を遠ざけた写真
撮影設定:51mm、F2.8、1/50秒、ISO100、露出補正+1.0

背景の猫を置ける範囲で最も後ろへ離しました。

主役との距離が広がったため、同じF2.8でも背景が大きくぼけます。

先生
先生

F2.8でも背景がぼけないのは、主役と背景が近すぎるためです。絞りをさらに開けられないなら、主役を前へ出して背景をできるだけ後ろへ離します。

次に読む授業

まとめ

背景がぼけないときは、F値だけでなく、被写体との距離、背景との距離、焦点距離を見直します。近づく、背景を離す、望遠側を使うことでぼけは強くなります。ぼけに頼りすぎず、背景を整理することも大切です。